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題名 |
【針と薬を結合してGraves病眼症状治療の臨床観察】(2000.2.20)
孫克興・、龍*火習・、魏建子・、王 静・、朱火韋敏・。指導 何金森・
(・上海中医薬大学;・上海中医薬大学附属曙光医院)
訳者注:今回の論文紹介は、実際に眼症状で悩んでいる方々に分かりやすいよう簡潔にまとめました。
詳しい内容についてご質問がありましたら、メールでお願いします。
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目的 |
針治療とメルカゾールを併用してGraves'眼病(GO)に対する治療効果を観察する。
方法
54例のGO患者を治療して、101眼の治療前後における突眼度・眼球運動障害の状態および活動性指標の変化について観察をおこなった。
・54例の内容:
男22例、女32例;年令17〜58才、平均38.6±14.3才。
合計101の眼を観察した。
54例のGO患者を、針薬治療T組(首から上のみの針治療+メルカゾール又はチラージン)18例;針薬治療U組(首から上と足の針治療+メルカゾール又はチラージン)18例;対照組(メルカゾール又はチラージンのみ)18例に分ける。
薬は甲状腺機能の程度により選択している。
・GO患者の内容:
・甲状腺機能亢進症診断基準;血清TSHが正常値より低く、FT4が正常値より高く、TRAb陽性。
・悪性突眼症診断基準;突眼度>17mm、眼球結膜充血および浮腫、復視あるいは眼球運動障害などがある。ただし、眼窩内炎症・肉芽腫・膿腫・粘液嚢腫・腫瘤・頸動脈海綿洞嚢等の疾患を除く。
・眼障害の分類はアメリカ甲状腺学会の分類NOSPECSによる;クラス1〜4の方を採用した。クラス5、6(角膜病変や視神経障害)は対象に入れない。
・治療効果の判定基準:
・突眼の治療効果基準
著効 眼球突出度が正常に回復する或は2mm以上減少する。
有効 眼球突出度が1〜2mm減少する。
無効 眼球突出度が1mm以下或は悪化する。
・眼球運動障害の治療効果基準
著効 眼障害指数が2以上低下する或は正常に回復する。
有効 眼障害指数が1〜2低下する。
無効 眼障害指数が低下しない或は悪化する。
結果
針治療は患者の突眼度・眼球運動障害に対して一定程度の改善があった。以下の表に治療結果を紹介します。
・各組の突眼に対する治療効果(%)
組別 |
眼数 |
著効 |
有効 |
無効 |
有効率 |
針薬T組 |
33 |
15(45.5) |
11(33.3) |
7(21.2) |
78.8% |
針薬U組 |
34 |
18(52.9) |
12(35.3) |
4(11.8) |
88.2% |
対照組 |
34 |
8(23.5) |
12(35.3) |
14(41.2) |
58.8% |
・各組の眼球運動障害の治療効果(%)
組別 |
眼数 |
著効 |
有効 |
無効 |
有効率 |
針薬T組 |
19 |
4(21.1) |
11(57.9) |
4(21.0) |
79.0% |
針薬U組 |
21 |
9(42.9) |
10(47.6) |
2( 9.5) |
90.5% |
対照組 |
20 |
5(25.0) |
7(35.0) |
8(40.0) |
60.0% |
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