中国針灸治療:バセドウ病・男性不妊症・針灸適応症全般
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泌尿器系の針灸治療
男性不妊 【目次】 Page1 Page2 Page3 Page4 Page5 Page6
第5章.男性不妊の針灸治療
針灸臨床では、上述の検査結果に併せて随伴症状も考慮に入れる治療法(弁証論治)、或は検査結果に異常はあるが随伴症状無しに対する治療法があります。では、乏精子症を例に針灸治療とその効果を紹介しましょう。その他の治療結果については、中国針灸のページ(針灸情報Part3)で紹介しております。

乏精子症の針灸治療
A.弁証論治による治療
A-1;腎精不足
 症状:精子濃度に加え精液量も少なく、精神不振、疲れ易く、嗜眠健忘、腰や膝に力が入らない、舌淡苔薄、脉沈細。
 取穴:腎兪・志室・太谿・三陰交
 操作:全て補法、置針30分;隔日に1回、10回を1治療行程とする。
A-2;気血於阻
 症状:精子濃度に加え精液量も少なく、会陰部の脹痛、イライラして怒り易い、舌於点あるいは於斑、脉渋。
 取穴:膈兪・肝兪・帰来・気門・血海・三陰交。
 操作:全て瀉法、置針30分、置針中に間欠的に運針する;毎日1回、10回を1治療行程とする。

B.弁証論治によらない治療(自覚症状がない)
B-1
取穴:(1)大赫・曲骨・三陰交、灸関元・中極;(2)八リョウ・腎兪・灸腎兪・命門。  操作:先に捻転補法を用い、得気後に隔姜灸3壮。隔日に取穴(1)と(2)を交替におこなう。
B-2
取穴:腎兪・太谿・命門・関元・曲泉・三陰交・足三里。
操作:提挿捻転平補平瀉法を採用し、関元に針刺して針感を前陰部へ放射させ脹・熱・勃感を起こす。

以上の治療法についての臨床報告を簡単に紹介します。
 梁雪英はB-1の治療法を採用して乏精子症160例を治療した。結果は125例全治(78.13%);好転(20.62%);無効2例(1.25%)。 [中国針灸,1984,4(6):14〜16]
 廉玉麟等は針灸弁証論治による治療法を採用して乏精子症不妊患者83例を治療した。最短治療行程は2ヶ月、最長14ヶ月、平均治療行程4.5ヶ月。 結果:全治56例、好転19例、無効8例、総有効率は90.4%。
[針灸臨床雑誌,1997,14(3):19]
 張越林はB-2の治療法を採用して乏精子症52例を治療した。結果は33例全治しその中の21例で配偶者は妊娠、好転9例、無効10例、総有効率は80.80%。併せて針刺により視床下部ー下垂体軸の分泌を促進し、FSH・LH分泌を調節し、血中テストステロン濃度を高め、エストラジオール含有量を低下させることができ、視床下部ー下垂体ー精巣軸の機能紊乱を改善し、精子の産生・成熟を促進そして精子活動を高めることを示している。ゆえに、乏精子症治療の目的に到達することができる。
[天津中医,1997,14(1):21]

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